こんにちは。
e-scape坂戸店(@e_scape_sakado)店長の轟元気です。
本記事では当店の販売水槽の管理体制をご紹介します。
ご質問の多いことがらなのでまとめてみました。
ざっくりと簡潔に解説いたしますので参考になれば幸いです!
【基本コンセプト】
お客様宅でも育成しやすい管理を心がける
これが当店の管理の基本です。
在庫の生体、水草は購入後、お客様の水槽で管理することになります。
店舗の管理体制とお客様の水槽の環境が大きく違うと環境変化が大きくなり結果として飼育しづらくなってしまいます。
そこで当店では特殊な機材や薬品の使用を少なくし、お客様の水槽と似た環境になるように努めております。
水槽は自然環境は大きく異なる「水槽」という独自の環境です。
市販されている一般的な設備でできうる「水槽環境」と似た環境に慣らしてから販売することで、お客様の水槽に導入したあとに起こるトラブルを軽減できると考えております。
【生体販売水槽の設備・管理】
・水槽サイズ
45×30×30cm水槽 38L程度
30×30×30cm水槽 24L程度
基本的に当店は上記のサイズの水槽を生体販売水槽として使用しています。
水槽サイズに関しては特に工夫をしておらず店舗面積に合わせたものを選んだ結果、このサイズになりました。
・フィルター
エアーリフト式の底面フィルター
スポンジフィルター
投げ込み式フィルター
ほとんどの水槽で底面式フィルターを使用しています。
底面式フィルターを採用する理由は、安価かつ省スペースで強力な物理ろ過、生物ろ過が得られるからです。
販売水槽の場合、1Lあたり10~15匹程度の生体を在庫することもあり、強力な物理ろ過、生物ろ過が必要不可欠です。
多くの店舗が底面式フィルターを採用しているのはこの辺りに理由があります。
底床を使用していない水槽はテトラのスポンジフィルター、水作の投げ込み式フィルターを使用しています。
こちらも採用理由は底面式フィルターと同様です。
※お客様にフィルターを紹介する際はお客様の環境に合わせて様々なタイプのものをご紹介しています。
・底床
酸処済の大磯砂
開店時に安価かつ大量に用意できる大磯砂を使用しています。
塩酸(一部硫酸)を使用し酸処理を行い貝殻やサンゴ片などを除去してあります。
酸処理済の大磯砂は販売しておりませんが、酸処理をしなくても店舗の販売水槽のような管理が可能な珪砂系の底床などを在庫しております。
・換水頻度
3~4週間に1度、50~80%程度
大まかな目安としては上記のように行っています。
換水に使用する水は水道水のカルキを抜いたものを利用し、状況によりテトラ PH/KHマイナスなどを使用しPHを下げた水を注水しています。
セットしたばかりの水槽や何か問題のある水槽は、3~7日に1度など高頻度で換水をすることもありますが多くの水槽で1月に1回程度の換水で維持しています。
換水時には基本的に水作プロホースなどを使用し底床内を清掃しています。
目安としては底床面積の半分から3分の1程度を掃除するイメージです。
・餌やり
魚種に合わせて1~2種程度を混ぜて与えています
当店の生体販売水槽は基本的に混泳水槽です。
様々な魚種を入れることが多いので、餌を食べるスピードや気の強さなどで餌食いに差が出ます。
顆粒、フレーク、タブレットなど形状、味の違う餌を混ぜて与えることで食いっぱぐれが出ないように工夫しています。
・水質
PH 5.5~7.0
上記を目安に換水、テトラ PH/KHマイナスを使用し調整しています。
多くの魚種が弱酸性で飼育したほうが調子が良いことから、なるべく弱酸性になるように工夫しています。
PHは低すぎても高すぎても管理が大変になる傾向があるので、一般的な飼育設備でも手軽に再現できる数値になるよう心がけております。
水質の指標には他にも様々なものがありますが、生体管理に関してはPHを基本とし他の指標はあまり気にしないのが当店の流儀です。
※アンモニア、亜硝酸など水の汚れの指標はクリアしていることが大前提です。
・生体導入時の対応
点滴法による水合わせ
入荷した生体を店舗に導入する際は基本的に点滴法による水合わせを行っております。
30分程度を目安に行い、終了後は生体のみをアミで掬い水槽へ移動しています。
水質変化を和らげるというよりも、他の場所からきた水を当店の水槽に入れないということを主眼において水合わせを行っております。
【水草販売水槽の設備・管理】
・水槽サイズ
120×45×36(H)cm水槽 180L程度
基本的に当店は上記のサイズの水槽を水草販売水槽として使用しています。
水槽サイズに関しては特に工夫をしておらず店舗面積に合わせたものを選んだ結果、このサイズになりました。
・フィルター
モーター式の底面式フィルター
フィルターの設置スペースの問題から底面式フィルターを採用しました。
生体との違いは水中ポンプを利用して稼働させている点です。
水面を動かして油膜を予防する、流れの見た目を楽しみたいことからある程度強い水流を作れるモーター式にしています。
・ライト
ゼンスイ マルチカラーLED 1台
本当は2台使いたい水槽サイズなのですが1台で頑張ることにしました。
極端に明るくするとお客様の水槽にも同スペックを求めることになりますので控えめにしました。
電気代がヤバいというのも理由の1つ。
本当に明るくしないと維持できない種類は組織培養カップのものを在庫する、陸上で管理するなどの工夫をしています。
・CO2添加
1秒に1滴程度 24時間添加
分岐数が多い関係で昼間だけ添加するなど添加していない時間があると不具合がでる可能性が高いことから24時間添加をしています。
現環境で1秒に1滴程度の添加なら長期間続けてもエビ等に問題が出ないことは確認しています。
ちなみに30kgのCO2ボンベから分岐して各水槽に添加をしています。
・底床
酸処済の大磯砂
生体と同様に大量に手配できる大磯砂を使用しています。
塩酸(一部硫酸)を使用し酸処理を行い貝殻やサンゴ片などを除去してあります。
大磯砂は処理をしたものでも少しづつカルシウムなどが溶出するようです。
これがミネラル分をある程度必要とする水草にちょうど良く管理しやすいです。
※鉢植えにする場合は、ソイルを使用することもあります
・換水頻度
3~4週間に1度、50~80%程度
大まかな目安としては上記のように行っています。
換水に使用する水は水道水のカルキを抜いたものを利用し、状況によりテトラ PH/KHマイナスなどを使用しPHを下げた水を注水しています。
当店がある埼玉は水道水の硬度が高く頻繁に水道水で換水をしてしまうと水草が調子を崩しがちです(種類にもよりますが)。
浄水器や特殊なろ材などを使用することで高頻度で換水することもできるのですが、お客様のもとで再現性が低くなってしまうことから換水を控えめにして管理するようにしています。
換水の際は水作プロホースなどを使用して底床掃除をすることもあります。
水草の植わっていない場所を中心に軽く掃除をしています。
・肥料添加
2週間毎に液体肥料を添加
販売水槽ということもありますが、これくらいを目安に控えめに液体肥料を使用しています。
添加する肥料は状況に応じて成分の違うものを使用しています。
水草の場所を移動することが多いので固形肥料は一切使用しておりません。
エキノドルス、クリプトコリネなど、固形肥料が有効な種であっても液体肥料で管理しております。
※鉢植えにする場合は固形肥料を使用しています。
・水質
PH 6.0~6.5
GH 3~5
TDS 100~150
上記を目安に換水、テトラ PH/KHマイナスを使用し調整しています。
一般的な水草水槽の管理で再現できる水質に収まるようにすることで、水草を持ち帰ったいただいたあとに起こるトラブルが少なくなるようにしています。
PHの調整を最優先にして、他の指標はあくまでも目安にしています。
・水草導入時の対応
焼成カルシウムを使用し漬けおき
農薬が使用されている輸入物の水草を仕入れた際は焼成カルシウムを使用し処理を行っております。
販売用の焼成カルシウムもございますのでご希望の方には販売も行っております。
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