こんにちは。イースケイプ坂戸店の千葉です。
2024年8月31日20：00、水草レイアウトファンの祭典「世界水草レイアウトコンテスト2024（IAPLC2024）」の順位発表がありました。
私が応募した作品がこちら。
タイトル：STAGE
順位：145位（佳作）
こだわりポイント：抜け（背景が透過する箇所)を作らずに広がりを感じさせるレイアウトにしました。
昨年に比べ順位を落としてしまったことは悔しいですが、納得した構図で勝負できたことはまた一つ糧となりました。
このように毎年お店で当コンテストに参加できるのも、応援くださる皆様のお力添えがあってこそだと感じております。
この場をお借りしてお礼申し上げます。
上位作品のランキング発表はADAの公式YouTubeで残されていますので皆様もぜひご覧ください。
過去の受賞作品ページはこちらから
すべての順位はこちらのページより確認できますのでご覧ください。
それでは、今回出品した水槽の制作過程をご紹介します。
作品制作の始動は2023年10月から。
今年のテーマは「水草のひな壇を作りたい」から作品制作に取り掛かりました。
ひな壇といえば学生時代の卒業式や合唱コンクールなど学校行事で登壇した思い出があります。
生徒たちがひな壇に上り、全員が正面を向いて整列している様子。
これを水草レイアウトに反映させたら良い作品ができるのではないかと考えました。
なぜひな壇にしようと思ったかというと、水草をたくさん植栽しつつもまとまりのあるレイアウトにしたいという目的がありました。
ただ1点課題が。それは遠景が作れないという点です。
水槽という限りある空間の中でいかに迫力を出せるかは上位を目指す上でも欠かせないポイント。
迫力を出す方法としてよく用いられるのが遠近法です。
画像：トンネル出口へ向かうほど道路が細くなり、ライトが小さく見える遠近法を使ったイラスト
簡単に説明すると手前と奥で素材の大きさを変えることで奥行き感を演出する方法。
そしてその先には出口となる「抜け」が存在します。
今回はひな壇にする、つまりは水槽背面以上の奥行きを演出するのが難しかったのです。
そのため同時に広がりを見せることにも力を入れました。
水槽制作開始。
前回同様、底上げ剤を使用しソイルの使用量を削減。
洗濯ネットにリングろ材を詰めたお手製の底上げ剤です。洗濯ネットに入れることで再使用もしやすいです。
今年で丸3年活躍しています。
底上げ材でソイル量を削減しましたが、それでも今年はJUN マスターソイルネクストHG スーパーパウダー ブラック8Lを9袋使用しました。
ソイルを削減することばかり考えると水草が根を下ろすスペースも少なくなるのでバランスを見ながら調整します。
水槽内でひな壇を表現するために傾斜と流木で区分けをする作戦。
流木をアーチ状に組むことで水草の植栽箇所を増やしてみました。
前回のコンテストで使用した流木も再登場。
ブーメランの様なアーチ形状が流れを表現する時に使いやすく、開店当初から様々な展示水槽で使用してきました。
下段はアーチを二重にしてひな壇を作り、上段は流木を水槽の縁に引っ掛けたレイアウト。
上段に流木を配置することでさらに植栽区画を分けると同時に、視線の誘導ができるように、、、
アーチの頭頂部へ流木の先端が向かうことで視線が集まりやすいようにしてみました。
※この1ヶ月後、ADAから理想に近いホーンウッドが届いたので右上の流木は変更しました。
今回の作品は全体が植栽スペースになるので予めオリジナル栄養素を追肥。
前回のコンテストでは水草の調子がいまいちだったこともあり、水草の肥料切れなど人為的なアクシデントを前もって避ける工夫が必要だと学びました。
予め追肥したことにより立ち上げはまずまずのスタートを切れました。
植栽直後の水槽写真がありませんでした。申し訳ありません。
代わりに今回使用した水草リストです。
今回は34種の水草を使用しました。
注水4ヶ月後の水槽です。
当初は前景にコブラグラスの絨毯を作っていました。
ただ、アオミドロ除去のためか、状態が戻らなかったので化粧砂に変更。
予定外の変更でしたが化粧砂に変えたことで1段目のアーチ部分が引き立ち、ひな壇がわかりやすくなったので結果としては良かったです。
イメージと写真映えが違った水草は変更し、また植栽可能なスペースには新たに水草を追加を繰り返しました。
1回でバチッとレイアウトを決めるのもプロとして大事だと考えていましたが、写真が命のコンテストでは日々の微調整改善の方がより良い結果に結びつくと改めて感じた日々でした。
↑ネオンドワーフレインボー
↑オーストラリアンドワーフレインボー
魚種はいつも1種が多かったので今回はネオンドワーフレインボーとオーストラリアンドワーフレインボーを選択。
私の好きな魚種がネオンドワーフレインボーだったのでその子達とよく群泳するよう同じレインボーフィッシュで合わせてみました。
そして撮影当日。
月刊アクアライフでお馴染みのMPJ社所属石渡カメラマンに撮って頂きました。
いつもご対応いただきありがとうございました！
当日は写真撮影に集中です。
水の濁りは禁物なので水草のトリミング、コケ取りなどは前日に済ませておきましょう。
それにプラスして今回はエビたちが化粧砂エリアまで運んできたソイルを一粒残らず取り出して撮影に臨みました。
今回もよく群れる生体ということもあり撮影は順調に終わりました。
写真撮影は部屋の明かりを消したり、水面を揺らすためドライヤーを当てたりと普段とは環境も違うため臆病なお魚や環境変化に神経質なお魚などはなかなか姿を表さないこともあります。
撮影前にお魚の特性などが知れていると撮影もよりスムーズになりますよ。
↑水面を撮影するためにドライヤーで水面を揺らす様子。
百枚以上撮影し、その中から1枚をコンテストに応募します。
そして応募したのがこの1枚。
ちょうど流木の影部分にお魚たちが収まり、水草に埋もれずしっかり映えてくれました。
今年のテーマが「水草のひな壇を作りたい」だったので、作品名をSTAGEにしました。
結果は145位。
前回よりは順位を落としてしまい悔しい思いでしたが、抜けをなくした分流木と水草で広がりを表現できた点で納得の行く戦いができ、意義のあるコンテストとなりました。
正直なところ、まだまだ水草の状態を上げられたはずなので来年は更に磨きをかけコンテストにチャレンジしたいです！
本年も石渡カメラマンの腕を借り、先輩からはレイアウト技法の指導をいただき、同世代の仲間たちと情報交換しあい、そして、前回より多くのお客様から応援、激励コメントを頂きました。
学生時代のコンテストは一人での戦いだったので、周りの方々に指導、応援して頂ける環境があることがとても嬉しく感じております。
さらなる成長のため来年のコンテストは自宅で出品することに決意いたしましたが、皆様今後とも変わらず応援どうぞよろしくお願いいたします！
【お知らせ】
イースケイプ坂戸店では水槽レイアウトのご依頼や出張メンテナンスも承っております。
詳しくはお電話やメールにてお気軽にお問い合わせください！
当店公式SNSアカウントでは画像や動画でお魚や水草、レイアウト素材、お役立情報など随時ご紹介していますのでフォローをしていただけると嬉しいです！
また、グーグル・マップでは皆様からのクチコミを募集しております。
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～～～作品詳細～～～
【作品タイトル】
STAGE
【水槽サイズ】
Ｗ(幅)1200×Ｄ(奥行)500×Ｈ(高さ)500(mm)
【使用水草】
コブラグラス ‘モーリシャス’
ロベリア カージナリス’ミニ’
バコパ モンニエリ’コンパクタ’
ウォーターバコパ
ルドウィジア レペンス
ルドウィジア ブレビペス
グリーンロタラ
セイロンロタラ
ロタラ ロトンディフォリア ‘グリーン・レッド’
ロタラ ロトンディフォリア ‘レディッシュ’
ロタラ ロトンディフォリア ‘ビックベアー’
ハイグロフィラ トリフローラ
ハイグロフィラ ピンナティフィダ’UK’
ツーテンプル
リムノフィラ ルゴーサ
リムノフィラ アクアティカ ドワーフ
ミリオフィラム マトグロッセンセ グリーン
カルダミネリラタ
ポゴステモン エレクタス
イエローリシマキア
アルテラナンテラ レインキー ‘ミニ’
ソーシャルフェザーダスター
ラッフルソード
クリプトコリネ ルーケンス
クリプトコリネ レトロスピラリス
クリプトコリネ ウェンティ ‘ロング’
ラゲナンドラ ケラレンシス
アヌビアス キングコング
ボルビティス ヒュデロッティ
ミクロソラム sp.トライデント
タイワンモス
ウィローモス
オレゴンリバーモス
ウォーターフェザー
【魚・その他生物】
オーストラリアンドワーフレインボー
ネオンドワーフレインボー
オトシンクルス ヴィッタートゥス
ブッシープレコ
ヤマトヌマエビ
シナヌマエビ
【底床】
イースケイプオリジナル底上げ材、JUN マスターソイルネクストHG スーパーパウダー ブラック